Cwernm日语论文范文:日本语の敬语の人间関系に対する重要性

生活需要游戏,但不能游戏人生;生活需要歌舞,但不需醉生梦死;生活需要艺术,但不能投机取巧;生活需要勇气,但不能鲁莽蛮干;生活需要重复,但不能重蹈覆辙。

                                                      -----无名

日本語の敬語の人間関係に対する重要性


要旨:
敬語は、日本語では非常に発達している。敬語は日本語の中でかなり重要な地位を占めている。今日世界中の言語の中で日本ほど敬語を使っている言語はない。それで、日本では、敬語ができないと会話できないとよく言われる。これにより分かることは敬語は言語活動の中で影響が非常に大きいのである。敬語のシステムは、自分と相手との関係、つまり、自分が相手とどんな関係にあるかの言語表現上の様式である。敬語は面倒で嫌いだと言う人が多いが、敬語そのものが嫌いなのではなく、敬語の使い方、敬語を考えなければならない場面に立ち入ることがストレスを生むのである。そして、敬語はコミュニケーションを円滑に進める上で重要な役割を果たしている。日本語の敬語は人間関係において重要である。敬語や敬語以外の様々な表現から適切なものを選択して自分を表現するものである。
キーワード:敬語人間関係敬意表現重要性影響

はじめに
敬語は言語現象の中で最も社会とかかわりの深い現象であり、コミュニケーション円滑に進める上で重要な役割を果たしている。そして、敬語は敬意を表し、すなわち、敬意表現を体現するのである。敬意表現とは、コミュニケーションにおいて互いに尊重の精神に基づき、相手や場面に配慮して使い分ける言葉遣いを意味する。しかし、日本語では、敬語詞の数が多いし、表現形式がさまざまな対象に比較的固定した体系を持っているので、日本語の最も大きな特色として広範的に使われている。それで、敬語の分類は敬語の重要性などの認識に最も必要である。日本語の敬語は日本社会の人間関係にどんな重要性があるか。本文は以下のう点に着目して日本語の敬語の人間関係に対する重要性を探究する。
1敬語の定義と分類
1.1定義
敬語とは敬意を表す言葉を敬語と言う。一般的に、日本人は交際する時にお互いに相手を尊重する言葉を言う。これは話し手と聞き手の間の尊卑、優劣、長幼などの人間関係に重大な影響を与える。
1.2分類
日本語の敬語の範囲と分類について、今までいろいろな研究がなされてきたけれど、いろいろな考え方があって、まだ、統一されてはいない。しかし、比較的固定した体系を持っている。敬語には、一般的に、「尊敬語」、「謙譲語」、「丁寧語」の三種類がある。それぞれ状況や立場によって使い分けが必要である。三種類の敬語の使い方は非常に重要である。
三種類の敬語の使い分け
動詞 尊敬語 謙譲語 丁寧語
言う おっしゃる 申し上げる 言います
見る ご覧になる 拝見する 見ます
聞く お聞きになる お聞きする 聞きます
行く いらっしゃる 伺う 行きます
来る お越しになる 参る 来ます
書く お書きになる お書きする 書きます
話す お話になる お話しする 話します
食べる 召し上がる いただく 食べます
する なさる いたす します
いる いらっしゃる おる います

1.2.1尊敬語 尊敬語は話し手が動作をする相手の人を高い位置におく言い方である。
相手の動作について:
お(ご)~になる    例:お帰りになる、ご覧になる
お(ご)~なさる    例:お届けなさる、ご安心なさる
お(ご)~くださる   例:お書きくださる、ご理解くださる
~れる         例:書かれる、会われる
~られる        例:起きられる、信じられる
相手自身の性質、状態について:
貴           例:貴社、貴国
さん、様、殿      例:息子さん、お嬢様、会社殿
1.2.2謙譲語 謙譲語は自分自身に用いる、自分を低い位置に置き、相対的に相手を高めて敬意を表す場合に使う。
自分の動作について:
お(ご)~する     例:お聞きする、ご案内する
お(ご)~いたす    例:お見せいたす、ご回答いたす
お(ご)~いただく   例:お越しいただく、ご同席いただく
~ていただく      例:話していただく
お(ご)~申しあげる  例:お話し申し上げる、ご通知申し上げる
お(ご)~願う     例:お聞き願う、ご送付願う
自分の性質、状態について:
家内、父、母、おやじ、おふくろなどの名詞は自分の側のものを低めて言う時に使う。
1.2.3丁寧語 丁寧語は立場の上下に関係なく、聞き手に直接敬意を表すものである。
「お(ご)」などをつける  例:お米、ご本
文末を「です」、「ます」、「ございます」などにする。
例:私は田中です、田中でございます。
2敬語と人間関係の関係
2.1敬語で交際する際の具体的応用
敬語は日本人と交際する時に重要なものと考えられている。至る所で敬語が使って人と人の関係を円滑にしているのを見る。先輩、上司に対してはいつも敬語を使うように心掛ける。

聞き手

話し手

話題人 

日本では年長者に対しては敬語をつかう。敬語は言葉生活の中で重要視されている。相手に対して尊敬の念を持てば自然と言葉にも態度にもそれが表れてくる。
例:「お父さんはご在宅ですか。」と言うとき、話し手は聞き手と話題の人に対する尊敬を表す。
「お母さんが病気になっています」という時の話題の人物は自分の側の親戚である。普通、「母が病気です」といい、このように言わないが、話者の心からの尊敬を表わしている。
 「母が病気になっています」という時の対象は親戚以外である。
2.2敬語は日本の人間関係に影響する
日本人は会話する前に、はっきりしていることは誰と会話をするかを判断し、それから適当な敬語を使う。相手が上司、或いは先輩の場合は、正しい敬語をつかえば、相手に尊敬する気持ちを正しく伝えることができる。たとえ相手は目上の人でなくても、適当な敬語を使えば、会話はもっともスムーズになていける。たとえば、人に願いことがあるときに、相手に「手伝ってください」と言うより、「手伝ってくださいませんか」のほうがもっと慎重である。しかし、大切なのことは、必ず敬語を正しく使うことである。いわゆる「正しい敬語」は体系づけられる前からあるものなので昔の人はそのようには意識していなかったかもしれないが、現代の学校教育を受けたものにとっては、敬語の使い方をわざと間違えることで相手に対する軽蔑や相手に対して自分の身分の高さを表すものだと考えると分かり易いかもしれない。
2.3誤った敬語は日本人との人間関係に悪い影響を与える
敬語の失誤は社会的失誤に繋がり。敬語は日本語の特色のひとつである。しかし、日本語科の学生にっとては、敬語が一番難しい点と思われる。
尊敬語と謙譲語の取り違えは、敬語の間違いの半分以上に占めている。
2.3.1尊敬語を自分に対して使う 例:係の者がお見えになります。
部長が明日、そちらにいらっしゃいます。
部長がもどり次第伺ってみます。
2.3. 2謙譲語を相手に対して使う 例:部長が先ほど申されましたように。
御社の取引条件を申しあげてください。
敬語を誤用すると、人間関係で誤解を生みやすく、尊敬されない感じが生ずる。たとえば、中年の家庭の主婦を呼ぶ場合、もし、「おばちゃん」と呼ぶびならば、たとえこのような呼び方が自分を見下げていないことを知っても、心の中はやはりうれしくない。
2.4敬語を使い過ぎると、人に迷惑する
敬語を使えば、相手は尊敬された感じがするが、敬語を使い過ぎると却って人に迷惑する。それで、ひとつのセンテンスが多くの敬語がある場合は省略できる敬語がある。
例:「部長、どうぞご無事でヨーロッパご旅行をおえられて…」
これは非常に面倒臭い表現である。このように言うと、話し手がとても面倒臭く感じるだけでなくて、その上聞き手もとても疲れる。
「部長、どうぞ無事にヨーロッパ旅行をおえられて…」
これがもとっも適当な敬語を表現で、無駄がない。
3敬語の人間関係に対する重要性
3.1敬語は人間関係に重要性を持っている
周知のように、日本社会は年功序列の社会であるから、実力相当の職員であるにしても、肩書きや入社期間やまた勤続年数などにより、序列をつけられる。日本人は日常生活の中で上下、尊卑、老幼をはっきりさせ、そして、それを以って自己の集団への行動基準とするのである。これが最も反映されているのは日本語の発達した敬語表現システムに他ならない。敬語は日本文化の特徴で、人間関係に欠くべからざる潤滑油である。敬語を正しく使えば、人と人との交際が順調に進行し、コミュニケーションが順調に進む。話者は相手に自尊心を感じさせることができる。従って、コミュニケーションを円滑に進める上で重要な役割を果たしている。敬語は日本語の中でかなり重要な地位を占めている。
3.2敬語は人間の付き合いでも必要である
敬語は話者ではなく聞き手に対する尊敬を表現する文法的な手段である。尊敬の判定は話し手の社会的身分を基準として、話者ではなく聞き手の地位から割り出される。話し手が中心となるということから、敬語も社会的価値体系に繰り込まれている。日本語では、敬語詞の数が多いし、さまざまな表現形式が比較的固定した体系を持っているので、日本語の最も大きな特色として広範囲に使われている。それで、敬語は人間の付き合いの中で非常に重要が不可欠である。
おわりに
以上まとめると、第一、三種類の敬語をに身につけた後、よく使うことが大切なことである。第二、日本の文化をよく理解し、適当な敬語を使うことが必要である。第三、人間関係の中で互いに尊重するのがとても重要であり、正しく敬語を使うのはとても重要であり、敬語を使うと相手に失礼な感じを与えず、他人に面倒臭い感じを与えることもない。
以上の本論は日本語の敬語を研究対象とし、人間関係に対する重要な影響を中心に検討した。敬語は大変煩わしいものであり、また大変便利なものでもある。というのは二つの状況がある。どんな時に煩わしいかといえば、話し相手が少し年上の人や会社や学校の先輩の時である。敬語を使った方が失礼にならないが、敬語での会話はなんとなく距離感がある。それなら普通に友達と話すようにした方がいいかどうかと頭の中で混乱してしまう。こんな時はもし敬語がなかったら誰にでも同じ用に話せるのだ。逆に便利な面は相手が明らかに偉い方の時や、改まった場所で会話する時、余り考えなくても敬語を使っていれば間違いがない。また、敬語は美しい言葉でもあると思う。敬語は使い方が難しくてもやはりあった方がいいかどうか。これらは今後、研究する主な内容である。

参考文献
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2.徐一平. 2007.3. 日语知识百题.北京大学出版社.
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10.刘金才. 1990.8. 现代日语敬语用法.北京大学出版社.

 

第二篇:日本语の敬语と人间関系

日本语敬语人间関系

毕业设计(论文)

题 目 日本語の敬語と人間関係

外国语学院日语系31班

学生姓名 刘志伟

学 号03102009

指导教师 王精诚

设计所在单位 西安交通大学外国语学院日语系

2007 年 6 月

西安交通大学本科生毕业设计(论文)

摘 要

语言是人类的交流的重要工具。日语中的敬语是一种根据说话人和听话人以及各种各样话题人物之间的关系的,对语言的恰当使用和明确人际关系的一种表现形式。

对于一直使用着敬语的日本人来说,敬语就像是我们周围的空气一样平常。但人们对于为什么会有敬语这样的问题却根本不会去想。更不会去想敬语的作用和如果没有了敬语的话怎么去使用日语这样的问题。如果没有了敬语,对于维持人际关系也是很难的。人们在各种各样的人际交往中可以使自己清楚的意识到要使用怎么样的与自己相称的语言。就像以上说的正是因为有了敬语,才使人们时刻有一种积极工作不敢怠慢的心。这样的话,也可以很好的构筑自己的人际关系了。

本研究立足于先行研究,以敬语和人际关系为研究对象,研究它们内在的联系和相互作用。以及通过对汉语中的敬语和人际关系的作用的分析,通过日中对比研究,显示出在上下关系和亲疏关系中,日语的用语更为细致和详尽。通过本研究可以看出同时是基于儒教的亲疏有别的日本和中国对于生活中的人都是由亲疏,内外之分的。而在欧美人的人际关系中这种区分就不怎么明显了。

可是像日本和中国那样同属儒教文化的国家里,对于生活中的圈外的人和圈内的人的态度大不相同,这样也是有好处的。例如在日语中,对于圈外的人和上司使用敬语,对圈内的人和晚辈不使用敬语是一种礼仪。

汉语中的敬语和日语比起来,不论在数量上还是使用频度上都是和日本不能比的。汉语中也有区分亲疏内外的敬语,但在上下关系和亲疏关系中的词汇运用上没有日语那样详细。汉语的敬语大多用在上下关系上,而日语的敬语在上下关系、亲疏关系、内外关系中都必须注意敬语的正确使用。而与汉语最大的不同之处就在于日语对于内外区分的要求是非常精细的。

关键词:敬语,人际关系,交流,日中比较

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要 旨

言葉は人間のコミュニケーションの重要な道具である。日本語の敬語というのは、話し手と聞き手、および話題人物との間のさまざまな関係にもとづいて言葉の使い分けとその人間関係を明らかにする表現形式のことである。

敬語をもっている日本人は、それが在ることが空気のように当たり前に感じるばかりで、それにすっかり安住して、敬語がどうしてあるのかということについて思いを巡らすことさえ滅多にない。敬語の働きについて考えたことなどは到底ない、敬語抜きで日本語をどう使ったらいいかなど想像できないありさまである。日常の人間関係を敬語なしで円滑に進めようとすると、唇寒しということになりかねない。それとも人間はともすると敬語に寄りかかって、自分なりの表現を使ってそのときどきの対人関係をつくるという心を忘れがちなのではない。もしそうならば、あたら敬語があるせいで、日頃心をことばにする仕事を怠っているのかもしれない。そうなら、ことばによって人間関係を構築することができる。 本研究では、先行研究を踏まえたうえで、敬語と人間関係を研究対象にし、その内在的の絆と相互働きを探求しようとしている。また、中国語の敬語及び中国語の敬語と人間関係も分析し、日中対照で、中国語にも親疎内外を区別する敬語があるが、上下関係や親疎関係による言葉使いのは日本語はもっと明瞭かつ精細なことが分かる。本研究の考察した結果は、原始儒教の「親疎の分」の脈絡をひいて、現代では中国も日本もその生活において内輪の人と外の人とに対して親疎の別がある。欧米の人間関係においてはこういう内親外疎の意識はあまり強く感じられない。

しかし、中国と日本などの儒教文化圏の国では、知っている人と知らない人に対する態度が大きく変わることが良くある。例えば、日本語の敬語には身内では、序列が上の人を話題にする場合、敬語を使うが、外部に対しては身内で目上の人を言うときは、敬称を使わないのが礼儀である。 iv

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中国語の中の敬語表現は日本語に比べると、量的にかなり尐なく、使用頻度も日本人より遥かに低い。中国語にも親疎内外を区別する敬語があり、各々特徴がある。上下関係や親疎関係による言葉使いの差異も日本語ほど明瞭かつ精細ではない。中国語の敬語は親疎、内外よりも上下の関係に良く使われるのに対し、日本語の場合は上下、親疎、内外のいずれにも気をつけながら使い分ける必要がある。特に内外に対しては厳しく要求される点で中国語との違いがある。

キーワード:敬語 人間関係

v コミュニケーション日中比較

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目 次

第1章 はじめに ················································· 1

第2章 先行研究と問題提起 ······································· 3

第3章 資料収集と研究方法 ······································· 7

第4章 日本語の敬語 ············································· 9

4.1 敬語の定義 ·············································· 9

4.2 敬語の歴史 ·············································· 9

4.3 敬語種類の変化 ········································· 10

4.3.1 従来の種類 ········································ 10

4.3.2 現代の種類 ········································ 11

4.4 敬語の重要性 ··········································· 13

第5章 日本語の敬語と人間関係 ·································· 15

5.1 「使う相手」 ··········································· 16

5.1.1 敬語と上下関係 ···································· 19

5.1.2 敬語と親疎の関係 ·································· 20

5.1.3 敬語と内と外の関係 ································ 21

5.1.4 敬語と恩恵と皮肉 ·································· 22

5.2 「使う場」 ·············································· 22

5.2.1 特定の場合でよく使う敬語 ·························· 22

5.3 敬語と人間関係におけるバランス ························· 24

第6章 中国語の敬語と人間関係 ·································· 27

6.1 最も使われる敬語形式 ··································· 27

6.2 よく使われる敬語形式 ··································· 28

6.3 中国語の敬語と人間関係 ································· 29

第7章 日中敬語の働きの違い ···································· 31

第8章 おわりに ················································ 33 謝辞 ···························································· 35 参考文献 ························································ 37 vi

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第1章 はじめに

言葉は人間のコミュニケーションの重要な道具である。日本語の敬語というのは、話し手と聞き手、および話題人物との間のさまざまな関係にもとづいて言葉の使い分けとその人間関係を明らかにする表現形式のことである。人間はともすると敬語に寄りかかって、自分なりの表現を使ってそのときどきの対人関係をつくるという心を忘れがちなのではない。もしそうならば、あたら敬語があるせいで、日頃心をことばにする仕事を怠っているのかもしれない。

本論文は敬語現象に注目し、敬語と人間関係から、その相互働きを分析し、敬語と人間関係の間の深層関係を追究する研究はあまりにも尐ない。それゆえ、本論文は、上述した先行研究を踏まえたうえで、日中両国の文化を元にして、両側の敬語および敬語と人間関係の関係を分析し、対照の上で、結論を得る。

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第2章 先行研究と問題提起

これまで、単純な敬語、また人間関係に関する研究が数多くなされている。

敬語の研究ならば、辻村敏樹(1977)の《現代語—敬語》などがある。日本人の人間関係に関する研究にすれば、小澤明子(1999)の《上下関係がコミュニケーションスタイルに与える影響》、柴田庄一、山口和代(2002)の《日本語習得における人間関係の認知と文化的要因に関する考察》などがある。中国語の敬語に関する研究にすれば、牛莹莹(2005)の《中日敬语比较》などもある。以下は先行研究とその研究結果について、詳しく説明している。

2.1 敬語の研究

辻村敏樹(1977)は敬語について以下のことを述べた。

一口に敬語と言っても、広義に解するのと狭義に解するのとでは、その間にかなりの差がある。前者に従う場合は、話し手、聞き手、話題の人物の間の上下親疎等の関係に基づいて変わる言語の形式のすべてをいうことになる。これは人に対する待遇のしかたが言語表現に現われたものであるから、待遇表現などとも呼ぱれる。しかし一般にはもう尐し狭い意味にとって、目上の人(また、関係の浅い人〉に対する特定の物言いを敬語といっている。

上位表現――――― いわゆる尊敬語 下位表現――――― いわゆる謙譲語

素材敬語 美化表現―――――

敬語 いわゆる丁寧語 対者敬語 ――――――――――――

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まず、敬語を素材敬語と対者敬語に分けたのは、敬語には話の材料となる人や物、つまり素材について語ることばと、聞き手や読み手つまり対者に直接に敬意を表わすことばの二種類があると考えたからである。次に、素材敬語中の上位表現とは、話の材料となる人、あるいはその人の動作、状態、所有物等を高いものとして遇する言い方で、「おっしゃる」「くださる」「お美しい」「ご邸宅」等一般に尊敬語といわれるものに相当する。 また、下位表現は、話の材料となる人、あるいはその人の動作、状態、所有物等を低いものとして遇する言い方で、「小生」「いたす」「さしあげる」「拙宅」等一般に謙譲語といわれるものに相当する、「拙宅」等一般に謙譲語といわれるものに相当する。

2.2 人間関係に関する研究

小澤明子(1999)の論文では、円滑な人間関係を維持することについて、以下の結論を提出した。

(一)上位者に対する配慮行動

質問紙調査によって得られた自由記述についてKJ法による分類作業を行い、その後統合作業を行い最終的なカテゴリを決定した。上位者に対する配慮点は「社会的規範」「抑制行動」「会話自体への配慮」「相手の状況」「自己志向」を意味するカテゴリに、配慮理由については、「自己志向」「相手志向」「社会的規範」「返報性」「親密性」「関係維持」を意味するカテゴリに属する記述に分類された。友人に対する配慮行動友人に対する配慮点は「相手志向」「関係維持」「会話維持」「自己配慮」「相互理解」「尊重、尊敬」を意味するカテゴリに属する記述が見られた。配慮理由については、「相手志向」「自己志向」「相互理解」「尊重」「問題回避」「関係維持」を意味するカテゴリに属する記述が見られた。これらの結果は上下関係と対等関係で配慮行動形態が異なることを示しており、上下関係においては社会的規範が配慮行動の生起理由に大きな影響を与えており、関係維持を目指した配慮行動を生起させていることが示された。一方対等関係においては親密性が配慮行動の生起理由に大きな影響を与えており、相互理解を目指した 4

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配慮行動を生起させていることが示された。

(二)上位者および友人に対する配慮行動

コミュニケーションスタイルとして、上位者との配慮行動は「抑制」と「積極的忚答」の二因子、「関係維持」「敬遠」「尊敬」の三因子が配慮行動の生起理由として抽出された。友人との配慮行動は、「尊重」と「距離感」に関する配慮が見られ、「関係維持」「敬遠」が配慮行動の生起理由として挙げられた。項目は異なるが、配慮理由は敬遠と関係維持の側面が両方にあると考えられる。

(三)配慮点と配慮理由との関連性

配慮点と配慮理由との関連性は、上位者とのコミュニケーションにおいては、「敬遠」得点と「抑制」得点に有意な正の相関が見られ、「関係維持」得点と「積極的忚答」得点に有意な正の相関が見られた。友人とのコミュニケーションにおいては、「関係維持」得点と「尊重」得点に有意な正の相関が見られ、「敬遠」得点と「距離感」得点に有意な正の相関が見られた。個人特性については、上位者と友人の両方に対する配慮行動として、個人のコミュニケーションスキルと対人的志向性が、強い影響力を持っていた。上位者に対する配慮行動については、対人印象と社会的影響力認知が大きな影響力を持ち、友人に対する配慮行動については、対人関係価値が大きな影響力を持っていた。また、相手との心理的近接度が、個人の配慮行動に対して大きな影響を持ち、相手との親密性が高い場合には積極的忚答を行うような配慮行動が、低い場合には自己抑制するような配慮行動が取られる傾向が見られた。

上下関係では、相手を敬遠するために抑制的配慮行動を取っていることが示された。これは、ホンネとタテマエといった配慮行動を取ることに相当し、相手との円滑な関係を維持しようとしていると考えられる。

以上のような先行研究がいろいろあるが、敬語現象に注目し、敬語と人間関係から、その相互働きを分析し、敬語と人間関係の間の深層関係を追究する研究はあまりにも尐ない。それゆえ、本論文は、上述した先行研究を踏まえたうえで、日中両国の文化を元にして、両側の敬語および敬語と人

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間関係の関係を分析し、対照の上で、結論を取る。

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第3章 資料収集と研究方法

本研究は、先生方からのご指導と関係者の協力の上、さらに図書館、本屋とインターネットを利用し、日本語の敬語、中国語の敬語、敬語と人間関係、日中比較等についての資料を集める。敬語び人間関係に関する資料や論文を検索し、その正しさを確認した上で採用する。また、結論の妥当性をできるだけ高めるために、研究に採用なされた資料はすべて本や、雑誌で公式に発表されている。

これらの資料に基づいて、主に重要な先行研究を利用し、日本語の敬語の起源、発展、人間関係との関係を分析して、中国語のと比較し、それから日本語の敬語は円滑な人間関係を維持する重要性を検討する。

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第4章 日本語の敬語

4.1 敬語の定義

敬語とは、相手に尊敬を示すために使われる丁寧な言葉のことである。主に、目上の人や身分が上の人に対して使われるが、例えば、会社の上司や学校の先生など、日常会話ではあまり使われていない。これは、敬語は相手への尊敬の気持ちを表すという要素の他に、相手によそよそしい感じを与えるという要素をもっているためである。

目上の人や身分が上の人への尊敬とは、自分を一段低いところに置き、相手を立てることである。まず、地位関係の規定因としては上位の聞き手、他者に対しては敬語が使われることが多い。地位関係には持続的なもののほか、一時的なものもある。次に、親しい者より、疎遠な者に対して敬語が使われやすいことも明らかであろう。親疎関係にはつきあいの長さ、家族、組織等も内の関係であるか等が影響する。

しかし、敬語の使い分けに影響する要因は、それ以外にも指摘されている。状況や話題が公式的である場合には敬語の使用が促進されるさらにその場での話し手の待遇意図、話し手の表現技術等も用いられる表現に影響すると推測されている。

つまり、敬語の使い分けには人と人との間に距離が生まれることが明らかである。

4.2 敬語の歴史

言語は社会文化の縮図であるが、すべての言語現象においては、敬語は社会現象と一番密切なつながりを持っている。言い換えれば、敬語は言葉づかいの手段として人間関係を反映する鏡である。歴史上、日本はかつて長い封建王朝から統治され、階級制度がかなり厳格である。儒家論理、礼法の体系のもとに建てられた王朝文化も以前きわめて繁栄であった。この社会文化の状況は言語現象に反映されて、日本語の非常に発達で複雑な敬

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語体系になっている。

さらに、日本明治維新時期には、ある程度、敬語体系の礎石の衝撃をもたらした。現代中国語においては敬語はもう広義的な範疇で、狭義上、敬語は第二人称の尊称「您」などの個別な単語現象を除いて、ほとんど使わない。その反面として、日本語敬語の概念は広義的な範疇だけでなく、狭義的な敬語概念の範疇にしてもその関連性も維持している。敬語は直示型の表現方式、閉鎖な形式体系、固定的な表現文型を借りて、ほとんど完全に言語体系およびあらゆる言語行動を覆う。「人」を主語としての動詞さえあれば固定的な文型あるいは表現方式を通じて、敬語になる。大部分の名詞、ひいては一部分の形容詞、形容動詞を直接「お/ご」を付け加えると敬語にもなる。言い換えれば、ほとんどの意思の表現には日本語が直接な敬語を使うことできる。この種類の敬語は直示型と称される。即ち、敬語は特定的な単語あるいは文型を持って相手に直接な敬意を表す。その上、話し手と聞き手の年齢の大小、階級の尊卑、関係の親疎などの要素によって、及び話し場合の正式かどうかの条件によって、敬語を使うのはひじょうに重要である。

4.3 敬語種類の変化

4.3.1 従来の種類

従来の日本語の敬語は次の三種類に分けられることが多い。

(一)尊敬語

話題中の動作や状態の主体が話者よりも上位である場合に使われる。動詞(助動詞)、形容詞の語形変化を指すが、名詞の語彙を変えることも尊敬語に含む場合がある

(例:だれ→どなた)。尊敬語は話題中の人物がその場にいない場合、使われないことが多く、尊敬語を使う基準が聞き手との関係によることが多くなっている。

(二)謙譲語

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話題中の動作の受け手(間接的である場合もある)が話題中の動作の主体よりも上位である場合に使われる。そのため謙譲語は話題中に2人以上の人物が登場しなければならない。話題中の動作の受け手がその場にいない場合、使われないことが多く、謙譲語を使う基準が聞き手との関係によることが多くなっている。

(三)丁寧語

聞き手が話し手よりも上位である場合に使われる語をいう。広義として聞き手に対する配慮を表すもろもろの語を含める場合があるが、文法的に語末に使われる現代語の「です」、「ます」、「ございます」、古語の「はべり」「候ふ」などを指す。国文法に聞き手が上位の場合の「です、ます」には丁寧語という言葉があるが、同等や下位にある場合に使われる「だ」などに対する言葉が統一されていない。ぞんざいな言葉、ぞんざい語と呼ばれることもあるが一般的とは言えない。俗にタメ口といわれるものがこれにあたる。

4.3.2 現代の種類

敬語を適切に使うためには、現代日本語の敬語を、次の五種類に分けている。

(一) 尊敬語(「いらっしゃる、おっしゃる」型)

相手側又は第三者の行為、ものごと、状態などについて、その人物を立てて述べるもの。例えば、

A[行為等(動詞、及び動作性の名詞)]

(1) いらっしゃる、おっしゃる、なさる、召し上がる。

(2) お使いになる、御利用になる、読まれる、始められる。

(3) お導き、御出席。

B[ものごと等(名詞)]

(4) お名前、御住所。

C[状態等(形容詞など)]

(5) お忙しい、御立派。

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(二) 謙譲語Ⅰ(「伺う、申し上げる」型)

自分側から相手側又は第三者に向かう行為、ものごとなどについて、その向かう先の人物を立てて述べるもの。例えば、

(6) 伺う、申し上げる、お目に掛かる、差し上げる。

(7) お届けする、御案内する。

(8) お手紙、御説明。

(三) 謙譲語Ⅱ(丁重語)(「参る、申す」型)

自分側の行為、ものごとなどを、話や文章の相手に対して丁重に述べるもの。例えば、

(9) 参る、申す、いたす、おる。

(10) 拙著、小社。

(四) 丁寧語(「です、ます」型)

話や文章の相手に対して丁寧に述べるもの。例えば、

(11) です、ます。

(五) 美化語(「お酒、お料理」型)

ものごとを、美化して述べるもの。例えば、

(12) お酒、お料理。

これらの5種類は、従来の「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類とは、以下のように対忚する。

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表4-1 現代の敬語の種類

日本语敬语人间関系

4.4 敬語の重要性

敬語は、古代から現代に至る日本語の歴史の中で、一貫して重要な役割を担い続けている。その役割とは、人が言葉を用いて自らの意思や感情を人に伝える際に、単にその内容を表現するのではなく、相手や周囲の人と、自らとの人間関係、社会関係についての気持ちの在り方を表現するというものである。気持ちの在り方とは、例えば、立場や役割の違い、年齢や経験の違いなどに基づく「敬い」や「へりくだり」などの気持ちである。同時に、敬語は、言葉を用いるその場の状況についての人の気持ちを表現する言語表現としても、重要な役割を担っている。例えば、公的な場での改まった気持ちと、私的な場でのくつろいだ気持ちとを人は区別する。敬語はそうした気持ちを表現する役割も担う。このように敬語は、言葉を用いる人の、相手や周囲の人やその場の状況についての気持ちを表現する言語表現として、重要な役割を果たす。

また、以上のことを別の方向から見直すと、敬語は、話し手あるいは書き手(以下、同じ意味を「話し手」で代表させる。)がその場の人間関係や状況をどのようにとらえているかを表現するものであると言うこともでき

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る。例えば、「鈴木さんがいらっしゃる」という尊敬語は「鈴木さん」を立てて述べる敬語であるが、この敬語を用いることによって、話し手は、自らが「鈴木さん」を立てるべき人としてとらえていることを表現できる。また、「こちらです」という丁寧語は、「こっちだ」と同様の意味を相手に対して丁寧に述べる敬語であるが、この敬語を選ぶことによって、話し手は、相手を丁寧に述べるべき人として扱っていることを表現できる。このように敬語は、話し手が、相手や周囲の人と自らの間の人間関係をどのようにとらえているかを表現する働きも持つ。留意しなければならないのは、敬語を用いれば、話し手が意図するか否かにかかわらず、その敬語の表現する人間関係が表現されることになり、逆に、敬語を用いなければ、用いたときとは異なる人間関係が表現されることになるということである。敬語をどのように用いるとどのような人間関係が表現されるかについて留意することはもとより必要であるが、それと同時に、敬語を用いない場合にはどのような人間関係が表現されるかについても十分に留意することが必要である。

言語コミュニケーションは、話し言葉であれ書き言葉であれ、いつも具体的な場で人と人との間で行われる。そして敬語は人と人との間の関係を表現するものである。注意深く言えば、意図するか否かにかかわらず表現してしまうものである。そうであるからには、社会生活や人間関係の多様化が深まる日本語社会において、人と人が言語コミュニケーションを円滑に行い、確かな人間関係を築いていくために、現在も、また将来にわたっても敬語の重要性は変わらないと思う。

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第5章 日本語の敬語と人間関係

自分にとって近いか遠いかで人間関係をとらえる、これが日本語の古来からの考え方である。近ければ親愛、遠ければ敬意を表わすのが、待遇表現(人間関係を表わす表現)のもっとも古い形です。本論文のような敬語の類型はいろいろあるため、使う相手と使う場合もそれぞれ違う。敬語を使う時に場合や聞き手や話題人物と話し手との間のいろいろな関係を考えなければならない。

今の日本人ははっきりした「内と外を区別する」意識を持っており、自分を中心として周囲に輪を作って「内」と「外」を区別する。「社会学事典」の定義によれば、「内」と「外」とは、「日本文化において、自我を中心とした内集団と外周団への態度の対比をとらえる通用語である」。さらに、「内」の人間(家族、自分の会社の人、自分の属するグループの人など)が、「外」の人間(親しくない人、他人、他会社の人、他グループの人など)と話し合ったり、その人たちを話題にしたりするとき、自分を含む「内」の人間に対しては謙譲語、「外」の人間に対しては尊敬語を使う。したがって、人間関係が明らかになる。日本人は「内と外を区別する」意識をはっきり持っていて、輪の内にいる人を親しく扱い、輪の外にいる人を疎く扱う。

つまり、敬語には、人間関係を主に次の2つに分けていることができる。一つは以上の例のような「使う相手」で、もう一つは「使う場」である。

(一)「使う相手」については敬語は親しくない人(よく知ない人、自分のグループに属しない人)や目上の人、尊敬すべき人(地位、身分、年齢が上の人)を相手として、その人達や話者自身などについて話すときに使う。ただし、普通には尊敬すべき人と考えられる場合でも、親しい相手であれば敬語を使わないこともある。

(二)「使う場」については敬語は改まった場(会議、学会、発表会、スピーチ、手紙など)で使用する。その場では親しい人にも敬語を使う。親し人同士で話す場合には、目上の人がその場にいれば改まってその人に対

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して敬語を使い、目上の人がいなければその人を話題としても使わないことがよくある。以下は以上の二つの方面について詳しく説明する。

5.1 「使う相手」

人々の生活の中で先輩、後輩、同僚、上司、部下などの様々な人間関係があるので、敬語は上述のような種類と構成を持ちますが、これは話し手、聞き手、話題の人物それぞれの相互関係に基づいて種々雑多な組み合わせを構成する。まず、その一例を次に掲げる条件のもとに考えてみると下表のようになる。

条件1 a=話し手 b=聞き手 c=話題の人物① d=話題の人物②。

条件2 不等号>の左側が上位者、右側が下位者を表示するものとする(<

の場合は、当然、左側が下位者、右側が上位者となる)。

条件3 cのdに対する授与行為についての言語形式を問題にする。

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表5-1 敬語と人間関係

日本语敬语人间関系

上の表について注意すべき点として、次のようなことを指摘しておきる。 (一) 「人間関係(1)」は尊敬語、謙譲語、美化語の現われ方を規定する

関係であり、「人間関係(2)」は丁寧語、美化語の現われ方を規定す るものである。

(二) 「人的関係(1)」の項の(?)印はその左右の人物の上下関係はどう

あってもよいことを示す。

(三) 同じ項の(b)は、その位置にbが加われぱ、その関係での語形が一

層確定的なものとなることを示す。

そこで、まず、a>bつまり話し手が聞き手より上であるという前提で、表の各段を見てみると次のようなことになる。

まず、Ⅰは、話し手aが話題の人物c(この場合与える人)と話題の人物d(この揚合与えられる人)のいずれよりも上位者であれぱ、cとdとの上下関係の如何にかかわらず「やる」ということばが用いられること、つまり、

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敬語は出て来ないということを示す。

これは、課長が二人の部下について語るような場合で、具体的な表現としては、例えば、

(13) 「田中が宮本に本をやった。」といったような言い方になる。 次のⅡは、与える人cが与えられる人dおよび話し手aより上位者であれば、dとaとの上下関係の如何にかかわらず、敬語「くださる」が用いられることを示す。

これはⅠの場合と同様具体的な例で考えると「田中部長が宮本に本をくださった。」というような表現になる。

なお、この場合、聞き手bがcより上位者であると、(つまり、上の例で聞き手が社長であったりすると)「くださる」という形が用いられないこともあり得るが、c>bの関係においては上位表現「くださる」の使用は決定的となるので、(b)をd?aのあとに加えてあるわけである。

それから、Ⅲは、与える人cおよび話し手aが、与えられる人dより下位者であれば、c?aの上下関係の如何にかかわらず、「さしあげる」という下位表現の現われることを示す。

この場合にあてはまる例としては、「田中が宮本常務に本をさしあげた。」といったような表現が考えられる。

最後のⅣは、与える人cが与えられる人dより下位者で、同時に話し手aよりは上位者という関係にある場合、前者の関係から「さしあげる」、後者の関係から「られる」という表現が現われて、結局「さしあげられる」という下位表現+上位表現という組み合わせが現われることを示す。

この場合は、「宮本常務が社長に本をさしあげられた。」といった表現が考えられる。

なお、以上は最初に記しましたように、すべてa>bの条件のもとで考えたことだから、逆にa〈bの関係では、語形欄各段の下欄の形、つまりⅠの「やります」、Ⅱの「くださいます」、Ⅲの「さしあげます」、Ⅳの「さしあげられます」という表現となって、いずれも「組み合わせ」の欄に見られるような丁寧語の添った形になるわけである。

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このように、敬語というものは、話し手?聞き手?話題の入物それぞれの関係如何によって複雑な変化をするものなので、その関係に正しく対忚する的確な表現を用いるということが非常に大切になってきる。

聞き手や話題人物と話し手との間のいろいろな関係を考えて、使い分けの言葉遣いをすることが円滑な人間関係を維持することについて重要である。以下は一般的によく使う言葉遣いについて詳しく説明する。

5.1.1 敬語と上下関係

話し手、話題人物に関しての待遇の上下にかかわるものとは上下関係である。目上の人や尊敬すべき人(例えば地位、年上の人)を相手として、その人たちと話すときに使う。相手との関係をよく考えて、適切な言葉遣いを言いたら、普通なことを話しも敬意を表せるであろう。例えば、

(14) 先生がいらっしゃる、ご飯を召し上がる、出席なさる、お書きにな

る。

(15) おじさんはいつおたちになりますか。

(16) 小林さんはアメリカのことをよくご存じです。

(17) しばらく銀行へ行ってまいります。

(18) この部屋は後で私が掃除いたします。

以上の「いらっしゃる」、「召し上がる」、「なさる」、「お/ご~になる」などには、「先生」が上位者として高められるわけであるが、この上位者というのは話し手よりも目上ということでは必ずしもない。

「いらっしゃる」、「召し上がる」、「なさる」などには、主語を高めて、話し手の敬意を直接表す言葉遣いであり、「まいる」「いたす」などには、主語を話し手側を低めることという待遇の意味がある。「高める対象」というのは、高める対象が主語であるという点が、尊敬語の肝要な点である。例えば、

(19) AさんがBさんをCさんの車でDさんの家からEさんの家までお運

びになった。

以上の例のように多くの人物の登場する文においても、尊敬語「お運び 19

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になる」によって、高められるのは、あくまでも主語「Aさん」だけである。

(20) BさんをCさんの車でDさんの家からEさんの家までお運びになっ

た。

このように主語が表現されない場合でも、高められるのは、やはり、その主語に当たる人物にほかならない。逆に、いかに高めるべき人物が文中にあっても、それが主語でなければ、尊敬語によってその人物を高めることはできない。例えば、「社長」に対する尊敬の念がいかに深かろうとも、壁にかっていた絵が社長の頭の上にお落ちになった。これは「絵」を高める奇異な文にこそなれ、「社長」を高めはしない。「社長」は主語でないからである。

5.1.2 敬語と親疎の関係

相手が親しくない人(よく知らない人、始めて知り合った人)や客などの場合は、言葉遣いが違う。例えば、

(21) 売店の店員が客に、ツアーガイドが旅客に…など。

(22) 奥さん、こちらをお試しになってください。

(23) ご用がございましたら、このベルをお押しください。

(24) 後ろの方、お急ぎになってください。

距離は、心の距離によって、使い分ける表現は必要である。この「距離」とは、、「上下」や「立場」の違いに基づく「距離」も含めてのことだが、これらともに、「親疎」の「距離」も測って待遇表現を選ぶことになる。 親疎の距離については、「初対面だから、親しい口をきく状況ではない」という場合には、社会的な規制力という色彩が強いが、例えば同じ相手に対して話し手のその時の気持ち次第で距離の置き方を変えることがあるというように、心理的な面もちろん大きい。なお、相手に対して距離を置くのではなく、話し手自分の品格や礼儀を与える効果もある。例えば、初めて出逢った人に適当な敬語を使えば、強くてよい印象を残さなくても、マイナス面の印象はきっと持たせないであろう。

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5.1.3 敬語と内と外の関係

ここで「内」というのは内の人間、例えば、家族や自分の会社の人や自分の属するグループの人などである。

「外」というのは、外の人間、例えば、親しくない人や見知らぬ人、他会社の人、他グループの人などである。

内や外の人間と話し合ったとき、その人たちを話題にするとき、自分を含む「内」の人間には謙譲語を使う。「外」の人間に対しては、尊敬語を使う。例えば、

(25) お母さん(相手方を指言い方)。

(26) お宅、お考え、ご両親(相手方の属するものを指す言い方)。

(27) わたくしは〇〇と申します(自分方を指す言い方)。

(28) 父は先生にお目にかかりたいと申しました(自分方を指す言い方)。 敬意を表すとき、内外とか上下とかよく考えても、言葉遣いを間違いするときもある。

例えば、「白」会社の社員Aさんが「黒」会社に電話をかけて、「黒」会社の課長さんを探すとする場合。

(29) Aさん:もうしわけありませんが、貴社の課長さんはいらっしゃい

ますか。 受話者:課長さんは九州へいらっしゃいました。(×) (うちの)課長は九州へまいりました。(〇)

このように、他の会社に電話をかけたとき、敬意を表す言葉を使うのは当然である。これに対して、受話者が聞くとき、相手を探すのは自分の会社の課長さんでも、地位は自分より低い人でも、全て「内」の関係である。ですから、「外」の人に対して、自分が話すとき低めて謙譲で敬意を表したほうがいい。

「内/外」についても、専ら社会的なファクターというわけでもなく、実は内外をどう捉えるかについての話し手の意図という心理的ファクターが関係する場合がある。そして、内外について、他人に対して話す場合、話し手側の人物(身内)のことを上位者として高めてはいけないというルー

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ルによるわけだが、このように、内か外かという関係は、実は上下関係にも優先する重要なファクターなのである。

5.1.4 敬語と恩恵と皮肉

敬語は相手に敬意を表したり、丁寧にしたりするときだけではなく、自身の言葉遣いを上品にする、恩恵の授受などのときにも使う。人と話すときは、教育レベルや社会的地位の高さを表すことも多く、このような効果を表すために敬語をよく使う女性もいる。

恩恵の授受とは、道に迷っって人に教えてもらうときは、年輩の社会的地位のある人が若い学生に尋ねるのであっても、丁寧な尋ね方をするのが常識的であろう。

これは、見ず知らずの間柄(親疎の疎)だからということもあろうが、教えてもらうという恩恵を受ける立場であるからということも大きいであろう。でも、恩恵の授受のときは、「~たいですか」「ほしいですか」という表現は多くの場(自分が相手に関する権限を持っている)という状況で、その恩恵あるいは好意的な権限の行使を得たいかを尋ねる表現としてつかわれる。ほかに、尊敬の意味ではなく、皮肉やからかいなどの意味もある。例えば、配偶者のような親しい人との会話で、急に敬意の高い表現を使ったりすると、

(30) なぜわたくしにそのようなことをおっしゃるのですか。ご説明なっ

ていただけませんか。

(31) 何だよ。急に改まって。

以上など敬意を持っている言葉を使っても、尊敬のつもりで使ったというわけではないことが分かる。

5.2 「使う場」

5.2.1 特定の場合でよく使う敬語

人に願いことがあるときや謝るとき、感謝するときで、敬意を使うのは 22

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必要である。例えば、

(32) ちょっとお尋ねいたします。この近所には郵便局がございませんか。

(人にお願いをするとき、相手は年下者でも、普通の言葉を使うのは失礼である。)

(33) すみませんが、ちょっとお願いしたいことがあるのですが。

(34) どうぞよいお恩恵をお貸しくださるようお願い申し上げます。

(35) 申し訳ありませんが、用事がありますので、先に帰らせていただき

ます。

(人に謝ったとき使う言葉であるから、聞き手は親しい者同士でも、一般的にも敬語を使った方がいい)。

特定の常用敬語は、以下のように使われている。

人に会うとき

日常のあいさつ

日本语敬语人间関系

失礼いたします。

離れたとき

おやすみなさい。

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失礼ですが~。

人に頼むとき

恐れ入りますが~。

ありがとうございまます。

感謝なとき

日本语敬语人间関系

おそれいります。

日本语敬语人间関系

日本语敬语人间関系

おれい申し上げます。

失礼しました。

謝ったとき

申し訳ありません。

人に待たせたときお待たせしました。

お疲れ様でした(下位者→上位者)。

慰問するとき

ご苦労さまでした(上位者→下位者)。

人に頼むときよろしくお願いたします。

「どうも」はもとは副詞であるが、単に使えば、話し手と聞き手と場合の違うわけでわざわざな敬意を表すことができる。

5.3 敬語と人間関係におけるバランス

敬語は難しくて、分かりにくいであると思う人がたくさんいるが、実は「敬意」を持つ、聞き手にどんな言葉遣いをするかいいかと考えて話してみたら、相手は自分の気持ちを感じる。それ以上に、敬語の類型をよく分 24

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かったら、(上下関係とか、親疎関係とか、内外関係とか、使う場合...など)使うのを間違えるところはきっと尐なくなるであろう。しかし、敬語を使うのは全て尊敬を含むことではない。でも、そういう「相手に高い尊敬の言葉を表して、実は皮肉ような反面の気持ちが持っている」は日常でも見られる。それに、人に願いがある場合や感謝する場合など、敬意を持って話すのは多い。しかし、これほどよく使う言葉はだんだん日常の会話になる。普通のあいさつや感謝する言葉はよく聞くと、あまり「敬語」と思わないであるが、実はそれも敬語の一部分であるから、話すときは省略しないで、よく考えたほうがよい。以上、一般的によく使う言葉遣いの中で、和語と漢語との使い分けを明らかにしなかったり、敬語を過剰に使用したりすると、日常では尐し間違えっても聞き手に分かるので、影響はあまり大きくない。しかし、正式な場合では敬語を使うのを間違えたら聞き手に礼儀がない人であるという印象を残らせて、人間関係も悪くすることが起きるかもしれない。

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第6章 中国語の敬語と人間関係

中国語の敬語には敬語として認められる単語の数が極めて尐なく、日本語の敬語と異なり、文法的な体系として示すことは難しい。

以下の敬語的な言葉遣いを10個ほど用例として列挙してあるが、日本語のように、動詞のマス体が丁寧を表す、「お+相手の動作を表す動詞の連用形+になる」の形が尊敬を表す、「お+話手の動作を表す動詞の連用形+する」の形が謙譲を表すなど、それぞれの用法の形態が系統的に表されるということは、中国語には考えにくい。中国語の敬語的表現は、単語をある特別の組み合わせの中におくことを通して、内在的な意味から敬意を聞き手に伝えようとするものである。中国語にももっぱら聞き手を敬うことを表す言葉遣い、つまり敬語と見られる言語表現がある。

以下では、「请」をはじめとするを研究対象として、中国語の敬語表現を明らかにすることを試みる。

6.1 最も使われる敬語形式

最も多く用いられる語彙は「请」である。動詞「请」を、「求」のように自己利益の意を強く持つ動詞に交替させると、日本語の「願う」の使用と同じく、婉曲的、間接的な遂行文となる。例えば、

(36) 我求你一件事。(ひとつお願いしたいのですが)

(37) 我求你帮帮忙。(ちょっと手伝ってほしいです)

また、「拜托」は日本語では謙譲語に相当する。「有一封信、拜托您带给他(どうかこの手紙をあの人にお渡しください)」など。例えば、

(38) 咦,他怎么没有来!不会吧?请你进去瞧一瞧。(ェッ、どうして見え

てない!そんなはずないでしょう?ちょっと探しに行って下さい)

(39) 鸿渐??忙说:“请你快看这信,我求你。”(鴻漸は……急いで、「ど

うか早くその手紙を見て、お願いだ」)

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(40) 你要看,你自己去取,两本书在我桌子上。请你顺便替我把窗子打开。

??(読みたけりゃ、きみ自分で取りに行くさ、本はぼくの机の上にある。ついでに窓を開けといてくれ給え。……)

(41) 一进卧室,就见桌上有效成的英文文法教科书,书里夹着字条:“鸿渐哥:我等不及你了,要去睡觉了。文法练习第三十四到三十八,请你快快一做。??” (寝室に入ったとたん、目についたのはテーブルの上の効成の英文法教科書で、メモがはさまれ、「鴻漸兄さん。ぼくは待ちきれないから、寝に行きます。文法の練習問題三十四番から三十八番まで、すぐやっといて下さい。……」)

(42) “三弟,请你不要念了,”觉新痛苦地哀求道。(「三弟、もう声を

立てて読まないでくれ」覚新は苦しそうにいった)

聞き手にある動作をしないように依頼する場合、つまり否定の表現は中国語ではよく「请(你)别」「请(你)不要」のような形で表される。また、上の例文は“请”の前に「我」(=話し手、第一人称)が含意されている。実際の発話において、「我」が省略されないケースもある。

6.2 よく使われる敬語形式

(一)人に教えを求めるとき、「请教」を使う。

(43) 想请教一下各位,有什么高见。(皆さんにお聞きしますが、何かご

意見がおありでしょうか)

(二)人の見解を賞賛するとき、「高见」を使う。

(44) 下期《福彩开奖》节目中将播出你的高见!(来週《福彩開奨》の番

組ではあなたの意見を放送します)

(三)人に用事を頼むとき、「拜托」を使う。

(45) 征婚!顾家好男人拜托各位邻居费心支持!(結婚相手募集!顧家の

好男子が隣近所の各位のご支持をお願いします)

(四)人を訪ねるとき、「拜访」を使う。

(46) 没有拜访就没有销售,但不等于销售人员去拜访客户就一定能实现销

售。(訪問がなければ売り上げがない。しかし営業マンが取引先を 28

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訪問すれば、商売を実現できるというわけではない)

(五)人に祝う気持ちを表すとき、「恭喜」を使う。

(47) 恭喜你已经成功注册!(おめでとう!あなたが登録に成功した)

(六)客の到来を待つことを表すとき、「恭候」を使う。

(48) 我们店铺位于乌鲁木齐南路靠近永嘉路口,恭候光临。(われわれの

店は乌鲁木齐南路の永嘉路口に近いところに位置しています。ご来店お待ちしています)

(七)人の見送りを断りたいとき、「留步」を使う。

(49) 妈妈,请您留步,不要再送远行求学的女儿,女儿的眼泪已经成了断

线的珍珠。(お母さん、お見送りしなくて良いよ。遠くへ勉強しに行く娘の私をこれ以上お見送りしなくて良いよ。私の涙は糸の切れた真珠みたいにすでに止まらなくなっていた)

(八)人を見送りするとき、「慢走」を使う。

(50) 辛苦您了,慢走。(お疲れ様。ごゆっくりお帰りになってください)

(九)人を訪ねるとき、「打扰」を使う。

(51) 不好意思,打扰了。(すみなせん、お邪魔しました)

6.3 中国語の敬語と人間関係

日本人と同じ、中国人は相手の年齢や身分の違いに基づいて言葉の使い分けをする場合もある。例えば、

(52) A你叫什么名字?(名前は何)

(53) B您贵姓?(お名前は何ですか)

自分より年下の人の年齢を尋ねるとき、Aを使う。目上の人や年寄の人に対して、Bで尋ねるのは普通である。

(54) A给我在这等着。(ここで待ちなさい)

(55) B请您稍等。(尐々お待ちください)

Aは命令的な言い方で、親は子供に対して命令を出すときなど使う。Bは丁寧な言い方で、目上の人やお客様を話の対象にしている場合に用いる。 このように、中国語にも敬語システムに似たような表現が存在している。 29

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とは言え、中国語は日本語のように呼称代名詞がいくつもあるという現象がない。一般的に、「わたし」は“我”、「あなた」は“你”あるいは“您”、「彼」は“他”、「彼女」は“她”と言う。また、中国語では体言や用言の変形などといったシステマティックな敬語系統がない。ここでは、前節で列挙した日本語の用例を中国語でいかに表現するかを考えてみよう。 以下の4つの用例は中国語においてそれぞれ次のように表現する。

(56) 老是在吗?

(57) 李明在吗?

(58) 铃木将缺席今天的会议。

(59) 总经理将缺席今天的会议。

すなわち、中国語では学生か先生かに関係なく動詞“在”を使う。また、

(58)と(59)の場合、新入社員であれ、社長であれ、同じく“缺席”という動詞を用いる。中国人は先生や学生、一般社員や社長の身分区別をあまり考慮していないと言える。

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第7章 日中敬語の働きの違い

原始儒教の「親疎の分」の脈絡をひいて、現代では中国も日本もその生活において内輪の人と外の人とに対して親疎の別がある。欧米の人間関係においてはこういう内親外疎の意識はあまり強く感じられない。

しかし、中国と日本などの儒教文化圏の国では、知っている人と知らない人に対する態度が大きく変わることが良くある。例えば、日本語の敬語には身内では、序列が上の人を話題にする場合、敬語を使うが、外部に対しては身内で目上の人を言うときは、敬称を使わないのが礼儀である。 中国語の中の敬語表現は日本語に比べると、量的にかなり尐なく、使用頻度も日本人より遥かに低い。中国語にも親疎内外を区別する敬語があり、各々特徴がある。上下関係や親疎関係による言葉使いの差異も日本語ほど明瞭かつ精細ではない。中国語の敬語は親疎、内外よりも上下の関係に良く使われるのに対し、日本語の場合は上下、親疎、内外のいずれにも気をつけながら使い分ける必要がある。特に内外に対しては厳しく要求される点で中国語との違いがある。

例えば、仕事上で取引先から○○課長にかかってきた電話に対して「ただいま○○は席を外しておりますが、?」と、謙譲語を使うのが普通であるが、課長婦人からの電話に対しては「ただいま、○○課長は席を外しておられますが、?」と敬語で答えることになる。(役職も敬称)

「よその人」に対しては○○課長は「内側」だが、課長婦人に対して電話を受けた社員は「よその人」となるわけである。

それらは、中国の「タテ」構造を主とする社会と異なり、日本社会は「タテ」と「ヨコ」の構造と「家族的集団」による伝統から生み出された文化に規定されているのであろう。

こうした内親外疎の意識が表に出るのが集団主義で、集団内に対して強い統合力があり、「万衆一心」の力を呼び起こすことができるのであり、集団外に対して強い競争力を持ち、目標達成への努力が発揮されるのであ

る。これは日本は世界の中でとても強い経済大国の重要な原因であろう。

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第8章 おわりに

日本語の敬語は、古代から現代に至るまで種々の変化をたどりながら、一貫して人間関係を踏まえた言葉の使い分けのための言語形式として存在してきた。したがって、敬語使用は日本の社会や文化の在り方を言葉遣いの上に反映するものであり、日本人の言語生活に重要な位置を占めている。この敬語は、言葉で表現する人(書き手、話し手など)と聞き手(読み手)やその話題中の対象となる人との上下関係、話題中の人物同士の上下関係などを言葉の内に表現するために用いられる語法である。ここでいう上下関係とは年齢や地位といった社会的な関係に固定されたものではなく、相手が商売上の客であったり、見知らぬ人であったりする場合にも使われる場面によって変化する。親しさ、疎遠さとも関係している。また、暗に相手を見下したりするために用いられることもある。話し手自身の他者への敬意の有無は敬語の使用に必ずしも関係があるとは限らない。

日本の社会の構造は、上下関係中心から、横並び主体に変化してきた。 古くから使われてきた「伝統的な敬語」は、身分をもとにした上下関係が前提であった。昔ながらの使い方だけにこだわることによって「敬語を使うことによって差別的な社会を温存させているのではないか」と心配する人もいる。これからの敬意表現は人間関係を反映した表現である。例えば、身分、地位、年齢などによる上下関係、利害関係をはじめとする相互の力関係、親愛、疎遠といった親疎関係などの人間関係によって、表現が変化する。

日本語の敬語は、古代から現代に至るまで種々の変化をたどりながら、一貫して人間関係を踏まえた言葉の使い分けのための言語形式として存在してきた。本論文は、上述した先行研究を踏まえたうえで、日中両国の文化を元にして、両側の敬語および敬語と人間関係の関係を分析し、対照の上で、以下のようなことが分かった。

(一) 敬語とは、相手に尊敬を示すために使われる丁寧な言葉のことである。敬語は、古代から現代に至る日本語の歴史の中で、一貫して重要な役

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割を担い続けている。

(二) 自分にとって近いか遠いかで人間関係をとらえる、これが日本語の古来からの考え方である。近ければ親愛、遠ければ敬意を表わすのが、待遇表現(人間関係を表わす表現)のもっとも古い形です。本論文のような敬語の類型はいろいろあるため、使う相手と使う場合もそれぞれ違う。敬語を使う時に場合や聞き手や話題人物と話し手との間のいろいろな関係を考えなければならない。

(三) 敬語というものは、話し手?聞き手?話題の入物それぞれの関係如何によって複雑な変化をするものなので、その関係に正しく対忚する的確な表現を用いるということが非常に大切になってきる。 (四) 原始儒教の「親疎の分」の脈絡をひいて、現代では中国も日本もその生活において内輪の人と外の人とに対して親疎の別がある。欧米の人間関係においてはこういう内親外疎の意識はあまり強く感じられない。 しかし、中国と日本などの儒教文化圏の国では、知っている人と知らない人に対する態度が大きく変わることが良くある。例えば、日本語の敬語には身内では、序列が上の人を話題にする場合、敬語を使うが、外部に対しては身内で目上の人を言うときは、敬称を使わないのが礼儀である。 中国語の中の敬語表現は日本語に比べると、量的にかなり尐なく、使用頻度も日本人より遥かに低い。中国語にも親疎内外を区別する敬語があり、各々特徴がある。上下関係や親疎関係による言葉使いの差異も日本語ほど明瞭かつ精細ではない。中国語の敬語は親疎、内外よりも上下の関係に良く使われるのに対し、日本語の場合は上下、親疎、内外のいずれにも気をつけながら使い分ける必要がある。特に内外に対しては厳しく要求される点で中国語との違いがある。

今回はただ日本語の敬語と中国語の敬語の違いの視点から、日中両国の文化を元にして、両側の敬語および敬語と人間関係の関係を分析を行った。日本語の敬語と世界の別の国の言語の違いを分析などが本論文では取り扱い。こういう問題を今後の課題にしたいと思う。

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謝辞

二ヶ月あまりの努力を尽くして、やっと卒業論文を完成させることができました。この過程を振り返ると、本当に感慨無量です。

卒業論文が大学四年間の勉強の集大成であるので、私は非常に重視していました。ずっと前から卒業論文のことを考えていたが、三月の末まで、有意味かつ興味深いに適切なテーマが見つかりませんでした。幸いなことに、王精誠先生から貴重な意見をいただき、最後に、日本語の敬語と人間関係を研究対象にしました。

卒業論文を書くのをきっかけに、私は資料の収集方法を身につけました。また、本論文の完成を通して、私は日本語の敬語と人間関係が尐し分かるようになって、さらに興味深くなりました。これからも日本語の敬語に関する知識を勉強していきたいです。

最後に、再び手伝ってくださった諸先生方にお礼を申し上げます。

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究会編

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